暑い日が続きますね。
「熱中症予防に水を飲もう」って言われますが。
「ビールやコーヒーを飲んでるから大丈夫」
なんて思ってないですか?
お酒やカフェイン飲料は熱中症対策にはならないんですよ。
それだけじゃありません。
飲めば飲むほど脱水症になりやすいのです。
「水分ならいいんじゃないのか?」って思うかもしれません。
でも違うんですね。ただ水分をとればいいってもんじゃないんです。
お酒を飲むとトイレが近くなりますよね。
なぜだと思いますか?
「水分を飲んでるから、入った分の水分が抜けてる」
それだけではありません。
アルコール、カフェインには水分を外に出す働きがあるのです。
ビールが脱水症状になりやすい理由
ビールにはアルコールが入っています。
アルコールには利尿作用があります。
その理由はアルコールが抗利尿ホルモンの分泌を抑えるからです。
抗利尿ホルモン(ADH:Anti Diuretic Hormone)とは
抗利尿ホルモン(こうりにょうほるもん)とは、字のとおり、利尿を妨げる働きをもつホルモンのこと。ADH(anti-diuretic hormone)。
出典:看護roo・看護用語辞典
つまり、体の水分を逃がさないようにするため。尿が出るのを抑えるホルモンです。脳にある脳下垂体という部分からADHは分泌されます。人間の体は水分を一定に保つようにできています。そうしないと血液の循環がわるくなったり、血圧が上がったり、臓器の働きが悪くなるからです。
むやみやたらに体の外に水分を出さないように、水分が外に出るのを一時中止させる働きがあるんですね。体から水が出ていく蛇口を占めるようなものでしょうか。
アルコールは抗利尿ホルモンの邪魔をする
ところが、アルコールが体内に入るとADHの分泌が抑えられてしまいます。
腎臓は中止命令がこなくなると血液からどんどん水分を吸収して外に出してしまいます。
つまり、尿の回数が増えるんですね。
ビールに含まれるカリウムにも利尿作用がある
しかも、ビールが脱水症を起こす原因はアルコールだけじゃありません。
ビールに含まれるカリウムも影響してるんです。
ビールには、アルコール・カリウム・水分の相乗効果による、利尿作用があります。
カリウムは体液の浸透圧を調整する働きがあります。体は血中のカリウム濃度が増えると、外に出そうとします。そのため、カリウムが増えると利尿作用が強くなります。
ビールは飲めば飲むほど脱水症状になる
ビールにはアルコールとカリウムのダブル効果があります。だからビールは他のアルコール飲料よりも利尿作用が強いんですね。
厚生労働省:健康のために水を飲もう講座
によると。
ビール10本で水11本が失われるそうです。
ビール1リットル飲んだら、1.1リットルの水が出るんですね。
ビールは飲んだ量以上の水分がなくなるってことです。
コーヒーに含まれるカフェインが脱水症状を起こしやすい理由
コーヒーやお茶に含まれるカフェインも利尿作用があります。
とくにコーヒーには紅茶や緑茶の3倍のカフェインが含まれています。
インスタントコーヒーは半分くらいですが、お茶類の倍以上のカフェインがあります。
飲み物に含まれるカフェインの量をまとめてみました。
飲み物 | 100ml中のカフェイン量 |
コーヒー | 60mg |
栄養ドリンク | 50mg |
紅茶 | 30mg |
ココア | 20mg |
ウーロン茶 | 20mg |
ほうじ茶 | 20mg |
緑茶 | 20mg |
玄米茶 | 10mg |
番茶 | 10mg |
麦茶 | 0mg |
文部科学省:日本食品標準成分表より作成
カフェインもアルコールと似たような働きがあります。
腎臓は血液から水分を吸収しています。その逆に尿細管という組織では水分を血液中に戻す役割があります。このバランスで体から出ていく水分が調節されます。
カフェインは尿細管の働きを弱める効果があるんです。
すると体から出る水分が多くなります。
だから尿が増えるんですね。
まとめ
アルコール、カリウム、カフェインには利尿作用があります。
アルコール、コーヒーは水分補給にはなりません。
ビールは飲めば飲むほど脱水症状になりやすくなります。
コーヒーを飲んだら同じ量の水を飲みましょう。
ビールを飲んだら少し多いくらい(最低でも1.1倍)の水を飲みましょう。
汗をかいたらもっと多くの水分が失われます。
熱中症や脱水症の予防には、アルコール、カリウム、カフェインの入っていない飲み物を飲むのがいいんですね。
コメント