水素が出る入浴剤は、手軽に水素風呂がができるというので人気です。
でも、水素発生入浴剤でやけどする事故が報告されました。
国民生活センターも注意を呼びかけています。
なんで水素発生入浴剤でやけどをするんでしょうか?
水素が危ないのでしょうか?いいえ違います。水素が原因じゃないんです。
調べてみると意外な事実がわかってきました。
危険・水が沸騰する入浴剤
どうして熱が出るの?
水素発生入浴剤にはさまざまな化学物質が入っています。
入浴剤は水と成分がふれると化学反応で水素やガスが発生します。メーカーによって成分もさまざまです。
化学反応するときには、熱が発生するものが多いのですが。
その中で特に危険なのは次の成分。
・酸化カルシウム(CaO)とアルミニウム(Al)が入ったもの
酸化カルシウムとアルミニウムと水が反応すると水酸化カルシウムができます。
CaO + H2O → Ca(OH)2
水酸化カルシウムとアルミニウムが反応して水素が出ます。
Ca(OH)2 + 2Al + 2H2O → Ca(AlO2)2 + 3H2
ちなみに。
H2 が水素ガスです。
酸化カルシウムと水が反応するときにとても大きな熱が出ます。
水を沸騰させるくらい大きなエネルギーがあるんですね。
だから直接触るとやけどしますよ。
全部の泡が水素ではない?
このとき水素が発生すると同時に、とても大きな熱が出ます。
この入浴剤を使うとブクブクと泡が出てますよね。
そのほとんどは熱で沸騰した水が水蒸気になるときの泡です。
水素も出てますが。
見える泡のすべてが水素ではありません。
泡が見えるってことは、水の中から逃げてるってこと。
単純に「泡があたってきもちいい」っていうのはありますけどね。
泡には蒸気が含まれてるのでできたばかりの泡に触るとやけどすることもあります。
水の中で入浴剤に触らないようにしましょう。
水が沸騰?意外に大きな熱がでるんです
もちろん、熱が出ることはメーカーもわかってます。
だから使うときは必ずケースに入れるんね。
ケースは熱くならないように設計されています。
ところが、小さなお子さんの指ならすきまからはいってしまうことがあるんです。
お子さんは触らないようにしてくださいね。
間違ってもケースに入ってないむき出しの入浴剤を水に入れたり、濡れたものを触ったり、濡れた手でさ触ってりしないでくださいね。
最近はこのようにケースが一緒に売られているものもあります。
身近にある酸化カルシウム
入浴剤に入ってる酸化カルシウム。
実は酸化カルシウムっていうのは身近にもあります。
これですね。
そうです。乾燥剤です。
酸化カルシウムは生石灰(せいせっかい)って呼ばれてます。
生石灰は水を吸着するので乾燥剤・脱水剤に使われてます。
注意書にも熱が出ますって書いてますね。
生石灰が水に溶けると、強いアルカリになるので肌が荒れます。
生石灰の塊を水の中に入れると数百度の熱を出すことができます。
水が沸騰するわけですね。
この熱を利用したのが。
暖かくなるお弁当。
駅弁とかであるでしょう?容器が暖かくなるやつ。
あの熱は酸化カルシウムと水の反応を利用してるんです。
火がでないから安全。だから身近なところでも使われてます。
もちろん、お弁当はやけどしないように作られてますよ。
安心して使ってください。
熱の出ない水素発生入浴剤はあるの?
水素発生入浴剤の中には熱が出ないものもあります。
水素乃湯という入浴剤です。
これは水素化マグネシウムというまったく違うもので水素を出しています。
この反応は熱がほどんど出ません。
だからやけどの心配はないんですね。
でもこの商品は香料でスズランの匂いを付けてます。
匂いは好き嫌いはわかれるかもしれませんね。
まとめ
成分に酸化アルミニウムとアルミニウムの書いてる、入浴剤は大きな熱が出ます。
むき出しの入浴剤を水の中で触らないようにしましょう。
ケースに入ってても、小さなお子さんの指なら中に入ってしまうかもしれません。
お子さんには触らせないようにしましょう。