炭酸水を飲むと体温が下がるのは本当?

炭酸水

 

水や炭酸水には体温を下げる効果があるって知ってましたか?

水は飲むだけで体温が低下するんです。
しかも炭酸水には口に含むだけでも体温を下げる効果があることが分かりました。

同じ内容は過去に日経ヘルス2014年9月号にも少しだけ載ってます。

2014年発売の雑誌ですが、もしかするとまだアマゾンとかにも残ってるかもしれません。

じつはこの番組や雑誌で紹介された内容はすでに研究論文になってます。だからテレビで放送できるんですよね。兵庫県立大学の永井教授らのチームが発表しているんです。

その内容は日本栄養・食糧学会の学会誌に載ってますよ。興味のある人は読んでくださいね。

 ⇒日本栄養食糧学会公式サイト

 

・・・といっても難しいですよね。

そこで、あなたの代わりに論文を手に入れて読んでみました。
その内容を紹介しますね。

炭酸水や水は体温に影響するの?

炭酸水は、水に二酸化炭素を溶かしただけのシンプルな水です。西洋ではテーブルウォーターとして親しまれています。日本でも徐々に広まってきましたよね。

炭酸水が涼しいと感じるのは過去にも言われてきたことなんです。
でもその理由は。

・冷たい水に触れると快適だと感じる。
・口に含むとピリピリ、チクチクといった刺激がある。
・泡がはじける物理的な感覚がある。

こういった要素がからみあって、清涼感があると信じられてきたんですね。もちろん、こういった効果はあります。

でも、永井教授らの研究では実際に体温が下がってるということが分かってきたんです。

この研究では、炭酸水と軟水を20代の女性に飲んでもらってその体温を測ってます。
炭酸水は軟水に二酸化炭素を溶かしたものです。二酸化炭素以外の成分は同じですね。

炭酸水と軟水はどちらも15℃にしたもの。
250mlの水を5分間で飲む。

そのあと体温を測るという実験です。
足先の温度と、鼓膜の温度を測ります。
鼓膜の温度を測ると体の奥の体温が分かるからです。

 

その結果
体の奥の体温は水を飲む前と後では変わらないという結果になりました。
つまり、水を飲んだから体が冷えて温度が下がるわけじゃないんです。

でも、足先の温度は変化があったのです。

 

水を飲むと足先の温度が下がる

・水を飲んだときの足先体温変化

 出典:日本栄養 食糧学会誌,67,1,p21(2014)

 

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、■が炭酸水。●が軟水です。
飲んだ直後から温度が下がって45分後には2.5~3℃温度が下がっています。

・水を口に含んで出したときの足先体温変化

出典:日本栄養 食糧学会誌,67,1,p21(2014)

こちらはわかりやすいですね。□が炭酸水。○が軟水です。
飲んだ直後から温度が下がって45分後には、軟水は約0.5℃、炭酸水は2℃温度が下がっています。
実験は45分で終わってますが、もっと下がるのかどうかはさらに実験しないとわかりません。

このグラフからわかることは、
・水は0.5℃足先の温度が下がる。
・炭酸水は2~2.5℃足先の温度が下がる。
ということですね。

何が分かったの?

水を飲んんで45分後には炭酸水も水も足先の温度が2.5~3℃下がります。
でも水を含んだだけの時は、水が0.5℃しか下がらないのに、炭酸水は2~2.5℃も足先の温度が下がるんですね。

なぜ口に含んだだけなのに温度が下がるんでしょうか。まだ研究中ですがこのように考えられています。

舌には味覚の器官があります。
味覚器官が炭酸に反応すると交感神経が刺激されます。
交感神経が興奮すると足先の血管が縮ませます。
血管が縮むと体温が下がります。

と、考えられているんですね。

また、冷たい水を飲むと心臓の鼓動が抑えられて体温が下がると考えられています。

まとめ

 

250ml、15℃の水を飲んでも体の奥の体温は変わらない。
永井教授らの研究では、15℃の水を飲んだ時は炭酸水も軟水も同じように足先の温度が下がることが分かりました。
口に含んだだけのときは、軟水は0.5度しか変わらないのに、炭酸水の温度は2度も下がりました。

つまり、炭酸水には普通の水以上の清涼感があるといえるんじゃないでしょうか。
暑い夏は、炭酸水を飲んですっきりしましょう。

 

参考文献:”炭酸水の口腔への刺激が深部・抹消体温に及ぼす作用”日本栄養 食糧学会誌,67,1,19-25(2014)

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