1日2リットルの罠

飲み物と健康

健康のために水を1日2リットル飲んでます。
ダイエットのための1日2リットル飲んでます。
という人がいます。

確かに水分をとることは、脳梗塞の予防や心筋梗塞の予防に効果があります。

でも、1日2リットルはムダです。
体に負担をかけるだけです。
なぜ「1日2リットル水を飲む」のデマが広がったのでしょうか?

正しい水の量はいくらなのかお話します。  

人は毎日水を失っている

人間は毎日、排出物を出すときに水分を出しています。
皮膚から水分を出して体温を調節します。
息にも水分が含まれています。

出した水は、補充しないと生きていけません。
人間が1日に出す水分の量は体重1kgあたり、約40mlです。
つまり
体重50kgの人なら 50×0.04=2.0
体重60kgの人なら 60×0.04=2.4

これだけの水が毎日失われていることになります。  

1日2リットル説が見落としていること

「やっぱり、2リットルの水が必要なんじゃないか」 と思ったあなた。
たしかにそうです。
でも、よく考えてください。

あなたは毎日食事をして飲み物を飲みますよね。
食事からも水分を取っています。
食事の内容にもよりますが、 1日3食べればおおよそ0.8リットルの水分を食事からとっています。
女性や小食の人は0.6リットルくらいかもしれません。
たくさん食べる人は1.0リットルということもあると思います。

少なめに見積もっても 食べ物の半分は水分だと思ったほうがいいですね。

更に人間が息をして酸素からエネルギーを作る途中で水ができます。
これを代謝水といいます。人間は1日0.2リットルの水を作っています。

つまり、食事と代謝水をあわせると1日1リットルの水は自然にとっているわけです。

ということは残りの水1リットルから1.5リットルを食事以外の飲み物からとればいいということです。

1日2~2.5リットルが必要と言ってる人は。
食事と代謝水を考えていない(知らない)んですね。

1日2リットルの水分が必要というのは嘘ではないですが、
食事をしない人なんていませんよね。

個人差があります

「私は小食だから」食事の量が少ない。
と思う人は、その分余分に水をとればいいと思います。
無理して2リットルの水を飲む必要はありません。

しかもこれは平均の値です。
仕事や食事の内容、夏と冬の気候で全然変わってきます。

冬場にデスクワークしている人と、
夏場に炎天下で力仕事をしている人では、
倍以上の違いがあります。

1日2リットルと決めること自体が無意味といえるかもしれません。

あくまでも目安として考えましょう。  

多すぎる水は毒

 多ければ多いほど効果が高いんじゃないの?
と思うかもしれません。

でも、やりすぎはよくありません。
水分をとりすぎると体に悪いのです。

1.消化液が薄まる。

食べ物を食べると唾液・胃液・膵液・腸液・胆汁といった消化液が体の中で働いて、食べ物を消化します。

水が多すぎると、消化液が薄まってしまいます。

消化液が薄まると、消化不良や食中毒になります。
消化不良は腸に負担がかかります。

最近の研究で人間の免疫細胞の60%は腸に集まっていることがわかってきました。

消化しにくい食べ物を無理に消化させようとして腸に負担をかけると、栄養はとれないし、免疫細胞も弱ってしまいます。腸の免疫力の低下は病気のもとになります。風邪を引くだけならまだいいですが、最悪の場合ガンになります。

水道水にはいってるカルキより、腸の免疫力の低下の方がはるかに怖いんですよ。

水の飲みすぎには気をつけましょう。

2.腎臓に負担がかかる。

人間の体は溜められる水には限界があります。

飲みすぎた水は体の外に出してしまいます。
となると、腎臓が余分に働かないといけないということです。

水を飲みすぎて常に腎臓をフル稼働させれば腎臓が弱ってしまいます。
もちろん、腎臓に障害を持つ人は飲みすぎたら命にかかわります。

それに、腎臓がフル稼働ということはトイレが近くなるんですよ。

それも困りますよね。

3.痙攣・意識を失う・死亡

腎臓のろ過速度には限界があります。
1分間に16mlと言われています。
それ以上の水は体の中に溜まってしまいます。

体の中に水が溜まると。体液中ナトリウムの濃度が低下します。
ナトリウムは筋肉や神経の働きを助けています。

ナトリウムの濃度が薄まると、神経や筋肉がうまく働きません。
けいれんがおきたり、血圧が下がったり、意識がなくなったりします。
ひどいときは意識がなくなってそのまま死亡することもあります。

健康のためにしたことが命を縮めてしまうなんて恐ろしいですね。

なにごとも、ほどほどにしておきましょう。  

神経質になるのも問題ですが

とはいうものの。
上に書いたような問題は毎日、2リットル以上飲んだ場合。

1日くらい多めに飲む日があったからといって、すぐにわかる効果はトイレの回数が増えるくらいです。
コップの二杯や三杯は余分に飲んでも問題ありません。

むしろ健康のリスクを考えると不足しているよりは多いほうがいいです。
神経質になる必要はありません。

神経質になってストレスをかかえ込むことも体には悪いです。

 

まとめ

水のとりすぎは意味がないどころか体にとって毒です。

汗をかく仕事をしているわけでもないのに、 水を毎日2リットル以上飲むのは自殺行為。

目安は
体重50kgの人で、1日1リットル。
体重60kgの人で、1日1.4リットル。

食事を1日3回食べない人、
汗を多めにかく人は飲む量を増やしましょう。

神経質になることはありません。
気にしすぎるのもストレスになります。

コメント

  1. […] 出した水は、補充しないと生きていけません。人間が1日に出す水分の量は体重1kgあたり、約40mlです。 つまり 体重50kgの人なら 50×0.04=2.0 体重60kgの人なら 60×0.04=2.4 これだけの水が毎日失われていることになります。 引用元-水健康.net […]

  2. […] 出した水は、補充しないと生きていけません。人間が1日に出す水分の量は体重1kgあたり、約40mlです。 つまり 体重50kgの人なら 50×0.04=2.0 体重60kgの人なら 60×0.04=2.4 これだけの水が毎日失われていることになります。 引用元-水健康.net […]

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