ペットボトルの水が長持ちするのは防腐剤が入ってるはウソ

water 水の知識

ペットボトルの水や飲み物が長期間腐らないのは、
ペットボトルに防腐剤が塗られているからだ。

と言われています。

本当でしょうか。

実は、大勢の人が勘違いしているのです。

ペットボトルの水が腐らない本当の理由。

これを知っておくと、無駄な買い物をしなくてすみますよ。

 

ペットボトルに防腐剤が塗ってあるはウソ

 

ペットボトルの水は何週間も腐りません。
でも、水道水は蛇口から出して何日も外に出しておくと雑菌がわいてしまいます。

不思議ですね。
だから、世の中には「ペットボトルには防腐剤が塗ってある」という都市伝説が生まれました。

そうです。
都市伝説なのです。

実はペットボトルには防腐剤は塗られてなかったのです。

えーっ。
じゃあ何で腐らないの?

と思うでしょう。
そのたねあかしはこうです。

水そのものは絶対腐らない

 

ここで問題です。

水が腐るとはどういうことでしょうか?

ほとんどの人が誤解しています。
水は腐りません。

腐るというのは有機物を微生物が分解するということ。

水は「H2O」と表示します。
水は水素と酸素から出来た物質です。

有機物とは炭素と水素を含む物質。
たんぱく質、脂肪、炭水化物は有機物です。
だから食べ物は腐るのです。
炭素が入っていない水は有機物ではありません。

微生物は水を分解することはできないんですね。

 

水が腐るとはどういうこと?

 

絶対腐らない水がなぜ腐ると言われるのでしょうか。

世の中で水が腐るといれれる理由は二つです。

・水に有機物が入って、その有機物を微生物が分解したとき。

・水の中で微生物が繁殖して、味が変わったり、微生物の出した毒素が混ざっているとき。

ここで注目して欲しいのは。

微生物とえさになる物がなければ、物は腐らないということ。

そうです。

微生物がいない、いても活動できない。
どちらかを実現できれば防腐剤はいらないのです。

それに、
いちいちペットボトルの内側に防腐剤を塗っていたらコストと手間がかかります。
一本100円程度の水にそんな手間をかけていたら採算があいません。
水が安い理由のひとつは、よけいな添加物を入れなくてすむからなんです。

ペットボトル水の製造方法

 

ペットボトル入りの水はおおまかにいうとこのような流れになります。

(1) 水を加熱や紫外線で殺菌。ろ過によって小さな微生物や有機物を取り除きます。

(2) 空気や菌が入らないように栓をします。方法にはいくつかあります。
  ・窒素の充満した場所で栓をする。
  ・水を満タンに入れて空気が入らないようにする。
  ・減圧(真空に近い状態)で栓をする。
   (開封したときボコッと膨れるようなかんじがするのはこれです)

もちろん、ペットボトルも新品で洗浄済み。
菌の付いていないものを使います。

 

 

このような工程で作られているので、ペットボトルの水には菌がほとんどいません。
仮にわずかの菌がいても、酸素も栄養もないので菌が活動できないのです。
だから腐らないんですね。

 

外国の水は加熱処理されていません。
水源の水は厳しく管理されているので、菌はほとんどいません。
ミネラルウォーターの中には菌のえさになる有機物がほとんど入っていないので。
密封しておけば菌は入ることも増えることもできない、というわけです。

でも、日本製のミネラルウォーターの方が殺菌処理をしているので長持ちします。
安全性では日本製の方が高いんです。
加熱した水は酸素や炭酸ガスが入ってないので味がよくないという人もいますけれど。
よほど利き水をした人でないと違いはわからないと思います。

要するに。

開封していないペットボトルは菌がいないので腐らないんですね。

それでもペットボトルには防腐剤が塗られている、入っているという噂が絶えません。
どうやら、ウォーターサーバーを売り込みたい人達の思惑もあるようですね。
ウォーターサーバーには、もっと別の利点があります。
間違った売り方はしてほしくないですね。

ミネラルウォーターとは違いますが。
清涼飲料水には酸化防止剤としてビタミンCが混ぜられています。
これが防腐剤として伝わった可能性もあります。

 

開封したペットボトルの水は腐る

 

でも、一度ペットボトルを開封してしまうと。
中に菌や酸素が入ってきます。

口をつけて飲んだら。
口についていた菌や有機物がペットボトルに移ります。

室温で放置しておくと数日すれば味が変わってくるかもしれません。
ふたを閉めても一度入った菌は少しずつ増えていきます。

 

でも、ふたを閉めて冷蔵庫に入れておけば菌の繁殖はある程度は抑えられます。
菌は低い温度が嫌いだからです。

ペットボトルのふたをあけたま放置したり。
コップに移し変えて放置すると。
水は腐ります。

空気中に漂っている菌やほこり(有機物)が水の中に入ってきます。
空気の酸素も水に溶け込んでいきます。

水の中にとけこんだ酸素と有機物をえさに菌が増えていきます。

コップに移しかえたほうが早く腐ります。
その理由は。こうです。

コップに雑菌が付いている。
空気の出入りできる入り口がコップの方が大きい。
新鮮な空気に触れている面積が広いと、それだけ菌が入りやすいんですね。

 

開封していないペットボトルの水は菌がいないので長持ちします。

ペットボトルの水でも。開けてしまったらあとは早めに飲んでください。

 

まとめ

 

・ペットボトルに防腐剤は塗っていません。
・水は腐らない物質です。
・腐る条件は菌・菌のえさ(有機物)・酸素・温度がそろうことです。
・ペットボトルの水は菌のいない状態で作られています。
・開封したペットボトルの水は、菌、酸素、有機物が入ってくるので腐ります。

 

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